上半期(4月〜9月編)続きまして、下半期(10月〜3月)に流行しやすい病気についてまとめました。流行する前にしっかりと抑えておきましょう!
10月〜11月に流行しやすい病気・ケガ
気温が下がり空気が乾燥してくる10~11月は、呼吸器系にも負担がかかり感染症にかかりやすい季節。 この季節に子どもがかかりやすい病気をまとめました。
症状に気がついたら保護者への連絡など早めの対処で、子どもたちの体への負担を軽くしてあげましょう。
RSウイルス感染症
【出典】医療法人社団沖田耳鼻咽喉科
鼻水、咳、発熱などのかぜに似た症状が出て、1~2週間ほどで治ります。感染経路は、飛沫感染と接触感染の2つ。一度かかっても免疫が十分にできず、何度もかかります。くり返し感染しながら少しずつ免疫ができて症状は軽くなっていきます。
2歳までにほとんどの子がかかるよくあるウイルスですが、乳児がかかると重症化して入院が必要になってしまうケースもあります。 気管支炎や肺炎、中耳炎を併発することもあります。
<症状>
・鼻水が出る
・咳が続く
・発熱(38~39℃)
マイコプラズマ肺炎
【出典】赤ちゃんの部屋
排煙の中でも比較的症状が軽いといわれているのがマイコプラズマ肺炎。
注意したいのは、もともと喘息のある子どもがマイコプラズマ肺炎にかかってしまうケース。重症化して、重症肺炎になったり入院しなければならないこともあります。
乳幼児も重症化する場合があるので、咳が続く場合はマイコプラズマ肺炎を疑って受診するようにしましょう。
<症状>
・頭痛や発熱(2~3日続く)
・咳が続く(3~4週間くらい)
・吐き気や嘔吐、下痢の症状が出るケースもある
急性気管支炎
ライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウィルスなどによる風邪が原因で気管支炎になることが多く、苦しそうな咳が続くことが特徴です。
予防のためには、手洗い・うがいなどを習慣づけて風邪をひかないことが第一です。部屋を加湿したりマスクをするなど、喉を乾燥させないことも大切です。
<症状>
・鼻水やくしゃみが出る
・発熱する
・上記の症状の後で、咳が出たり、喘鳴(呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音がする)の症状が出る
冬は、ウイルスにとって繁殖しやすい条件(低温・低湿)が揃っているため、いろいろな感染症が流行しやすい季節です。
12月〜1月に流行しやすい病気・ケガ
12~1月に特に子どもたちがかかりやすい病気をまとめました。 この季節、園で病気を流行させないためには予防が大切! 子どもたちには、手洗い・うがいをしっかりと習慣にさせ、お部屋の加湿にも気を配りましょう。
季節性インフルエンザ
【出典】青梅市
毎年、冬になると流行する季節性インフルエンザ。
予防接種も推奨されていますが、これはインフルエンザにかかりにくくするためのものではなく、かかった場合に重症化させないことが目的。「打ったから、もう安心!」とはなりませんので、ご注意ください!
<症状>
・38~40度の高熱が続く
・寒気・頭痛・鼻水・のどの痛み・関節痛・筋肉痛など風邪と同様の症状が出る
ロタウイルス感染症
【出典】感染症.com
数ある胃腸炎を起こすウイルスの中でも重症化しやすいウイルスです。 次に紹介するノロウイルスよりも下痢がひどいケースが多く脱水症状になりやすいという特徴があります。
日本でもワクチン接種ができるようになったので、小さいときから集団生活を送る保育園児の場合は、重症化を避けるためにも打っておいた方が良いでしょう。
ロタウイルスにかかったお子さんが保育園で嘔吐してしまった場合、嘔吐物などからほかのお子さんや保育士さんにうつってしまうので、汚物処理は慎重に行ってください。
<症状>※3~8日ほど続く
・高熱が出る
・吐き気・嘔吐
・下痢(白っぽい便が出る)
ノロウイルス感染症
【出典】クレール日記
生の二枚貝など、食品から感染することも多いノロウイルス。 ロタウイルスほど高熱が出ることも少なく、症状も1~2日で収まることが多いですが、集団で流行することも多いウイルスなので、保育園では注意が必要です。
園で給食を出している場合は、調理の際の十分な加熱と、調理者・配膳者の手指の消毒などを徹底して行い、予防に努めましょう。
<症状>※1~2日ほど続く
・吐き気・嘔吐
・下痢
ほかにもある!12~1月に流行りやすい病気
12~1月に流行にしやすい病気には上記のほか、RSウイルスや溶連菌感染症(猩紅熱しょうこうねつ)、マイコプラズマ肺炎などがあります。
2月〜3月に流行しやすい病気・ケガ
暦のうえでは「春」にあたる2~3月ですが、寒さがまだまだ続くため、引き続き感染症に注意したいとき。
また、空気の乾燥も続くので、肌のデリケートな小さい子どもたちにとって、カサカサ・カユカユが気になるシーズンでもあります。2~3月になりやすい「子どもの病気・ケガ」をまとめました。
乳幼児嘔吐下痢症
「乳幼児嘔吐下痢症」とは、ウイルスや細菌が原因となって嘔吐・下痢を中心とする全身症状が表れる感染性胃腸炎のことです。
原因となるウイルスは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど、細菌では、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどで、冬場の乳幼児嘔吐下痢症の原因として多いのは、ウイルスによるもの。1歳以下の乳幼児で発症するのもウイルスによるものが多いです。
・ | 嘔吐 |
・ | 下痢 |
※ | 嘔吐・下痢による脱水症状 |
※ | 熱は出ても38℃前後までで高熱にならないことが多い |
しもやけ
手足の指が赤く腫れたり、痛みとかゆみが混ざったような独特の感覚がつらい「しもやけ」。
大人でもなることがありますが、特に子どもがかかりやすい皮膚疾患です。
しもやけの原因は、寒さ・冷えにより末端の血液循環が悪くなることと、皮膚温度が極端に変化したり、蒸れたりすることにあります。
屋外で冷え切った後、あたたかい室内で温まり、また屋外に出る…といったような温度差のある状態を繰り返すことで、発症しやすくなります。
冷たい空気や水にできるだけ皮膚(特に、指先・足先など)を触れさせないようにして予防することが大切です。
・ | 赤紫色に炎症する |
・ | 赤い発疹ができる |
・ | チリチリとしたかゆみがある |
・ | ズキズキするような痛みがある |
・ | 患部が熱を帯びているような感覚がある |
乾燥性湿疹(肌荒れ・耳切れなど)
キレイですべすべに見える乳幼児の肌ですが、実は乾燥気味だということをご存知でしょうか?
秋冬、空気が乾燥してくると乾燥肌がさらに進み、乾燥性湿疹にかかりやすくなってしまいます。
ベビーローションなどで保湿することにより、ある程度は予防できますが、アトピー体質などより乾燥性湿疹にかかりやすい子もいるため、かゆがったり耳切れができたりしているお子さんの場合は、保護者の方に皮膚科を受診してもらいましょう。
※ | 小鼻、手のひらなど、皮脂の多い部分は症状がなく、乾燥しやすい頬やお腹・背中、ももなどに症状が表れることが特徴です。 |
・ | 肌がカサカサする |
・ | 肌がベタベタする |
・ | 肌がジュクジュクする |
・ | 赤いブツブツができる |
・ | 耳の付け根が切れて出血している |
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