毎年冬になると大流行するインフルエンザ。
子どもたちが長時間の集団生活を行う保育園では、特に警戒したいもの。
でも、保育園で対策できることには限りがありますよね。
ここでは、保護者にインフルエンザや登園のルールについて再確認してもらい、感染者を最小限に抑えていきましょう。
園からのおたよりで保護者の方たちを啓発するためのポイントをご紹介していきます。
保護者へ啓発する前に、インフルエンザについてまず復習しておきましょう。
保健情報疫学部会のインフルエンザ首都圏患者発生数によれば、2016年10月下旬より緩やかに上昇(①)し、12月初旬より勢いを増して流行。12月中旬より一度落ち着いていますが、2017年1月初旬より一気に流行しました。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、山梨県それぞれ数値に差はありますが、流行の波は同じことが読み取れます。
インフルエンザと風邪は症状が異なります。
風邪の症状は、鼻水やくしゃみ、のどの痛みがしきりにあらわれますが、発熱や頭痛は滅多にありません。
対してインフルエンザは、37~38度の発熱や頭痛が発生し、体の痛みや疲労感があります。鼻水やくしゃみ、のどの痛みは時々発生しますので、ただの風邪と感じてしまうことがあります。
風邪 | インフルエンザ | |
---|---|---|
発熱 | まれ | 頻出(37-38℃) |
頭痛 | まれ | 頻出 |
疼痛 | わずか | 大部分,重度となりえる |
疲労・脱力 | 時々 | 大部分, 2-3週続く |
極度の疲労 | なし | 大部分 |
鼻汁 | 頻出 | 時々 |
くしゃみ | 頻出 | 時々 |
のどの痛み | 頻出 | 時々 |
【出典】マイナビニュース
保護者の方のモラルの問題でもありますが、明らかに具合が悪いとわかっているのに、ほかに預け先がない、仕事が休めないなどの理由で登園させてしまうケースも起こり得ます。
まずは、ここで防波堤を作っておかないと、ほかの元気なお子さんまで巻き込んでしまうことになります。
「38度以上のお子さんは預かることができません」 など、改めて発熱している子は登園できないことを周知しましょう。
現在、保護者が、医師名・薬の種類・内服方法などを具体的に記載した与薬依頼表を持参することを条件に保育園での与薬が法律上で認められています。
園ごとに提出書類やルールがあれば、それも含めてインフルエンザが流行する前のこの時期に周知すると良いでしょう。
【出典】www.taku-jibi.jp
厚生労働省の「保育所における感染症対応ガイドライン」では、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱後3日を経過するまで」は、登園できないことになっています。
「発症後5日を経過し」とは、発症した日を0日とし、翌日が1日目、翌々日が2日目…という数え方です。 同様に、「解熱後3日を経過したら」も、平熱に解熱した日を0日目とし、翌日が1日目、翌々日が2日目…と数えます。
小・中・高校生などは、「解熱後2日を経過するまで」なので、上に兄弟姉妹がいるご家庭の場合は特に注意が必要です。
登園の際は、「登園許可書」「意見書」のような、医師が作成した書面が必要となりますから、おたよりで周知しましょう。
ほかにも、本人はかかっていないけど兄弟や保護者がかかってしまった場合はどうするか…
?など、インフルエンザ関連の登園ルールがあれば、併せて知らせておきましょう。
インフルエンザには1~4日の潜伏期間があるため、本人や保護者が気づかずに登園してしまってうつり、蔓延…というケースもあります。
そういったときに、保護者同士で「犯人探し」をしてトラブルになることを防ぐためにも、インフルエンザに関する予備知識を事前に知らせておくことが大切です。
もしも、インフルエンザが発症した子が出たら、その子供が発症する前日から一緒に遊んだり身近で生活をしていた子どもを、いつも以上によく観察しましょう。
そして、いつもと違う症状があったら、すぐにほかの部屋に移動して、感染が広がらないように対処します。 保護者の方にも、ご自宅でも子供の様子をいつも以上に良く見ていただくようにしましょう。
ウイキペディア(インフルエンザ)