「先生、うちの子、肌が弱いんで外遊び行く時、この焼け止めクリーム塗ってもらえる?」
保育士のみなさんは、保護者から我が子専用の日焼け止めクリームの依頼を受けて困ることありませんか。多くの保育士さんは一度や二度そんな経験があると思います。
紫外線の気になるこれからの季節、あなたの保育園では園児に対する紫外線対策をしていますか?
現代の紫外線量は、オゾン層の破壊などにより昔に比べて格段に増えてきています。
通常の外遊びの時間(午前中や夕方の数時間程度)なら、神経質になる必要はないといわれていますが、気にする保護者が増えてきていることも事実。
保護者会の強い園などであれば、保護者側から園に対して紫外線対策を取るよう要望が上がる可能性もありますよね。
今回は、保育園側が現実的に対処できる紫外線対策にはどんなものがあるかを見ていきましょう。
紫外線対策用に首元まで布で覆うタイプの襟つきの帽子が市販されています。
すでに導入している保育園や幼稚園なども多いので、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?
これまでの園帽を襟つきタイプのものに変えることで、園児の日焼けしやすい首元を紫外線から守ることができます。
お散歩や遠足など、保育園を離れたときの紫外線対策もできるところがポイント。
つばの広さによって顔まわりの紫外線カット効果に差があるので、つばが広めのタイプを選びましょう。
値段は1枚当たり1,000円ほどから。
一度に全園児分を揃えようとすると、少しまとまった予算が必要になりますが、まずは希望者だけに有料で配布するなど、少しずつ切り替えていっても良いかもしれませんね。
出典:株式会社アネビー
園庭の上にタープや日除けネットを張ることで、直射日光と紫外線を遮る方法。
たとえば、オーストラリアで開発された「スカイシェード」は、紫外線を90%カットするチタン加工された特別な繊維が使われた日除けネット。
気温上昇も抑えられるので、熱中症予防にもなりますね。
日陰ネットのメリットは、紫外線が一番心配なプール遊びにも対応できること。
ネックとしては、費用が高額になってしまうことでしょうか。
園庭の一部を覆うとしても、10万円程度からの予算が必要となります。
出典:シンプロテック
園庭など屋外での遊びのときだけでなく、室内で遊んでいても紫外線はガラス窓を通して入ってきます。
そこまで紫外線対策を求める保護者は少ないかと思いますが、参考までに園舎の窓ガラスをUV対策仕様にする方法をご紹介します。
一つは、窓ガラスそのものをUVカットガラスに変更するというもの。
費用はかかりますが、窓ガラスが割れない限りUV効果が続くという点はメリットです。
たとえば、肌の弱い乳児クラスの窓ガラスのみ対応するという形でも良いかと思います。
窓ガラスにUVカット効果のある専用フィルムを貼るという方法もあります。
さまざまな種類のフィルムがあり、遮熱効果やガラスが割れたときに飛散防止してくれる効果を持つものもあります。
フィルム貼りを業者に頼むか保育園側で行うかでも費用は変わりますが、UVカットガラスよりは安価に済みます。
窓ガラス用のUVカットスプレーも市販されています。
こちらは、費用も安く、吹き付けるだけなのでカンタンですが、持続効果は30~60日ほどと短いことが欠点です。
紫外線対策を行うとしても行わないとしても、保育園として、おたよりなどで紫外線対策についての考え方を保護者にきちんと示すことは大切です。
その際は、職員の看護師や自治体の担当者など、専門家の意見を元に方針を決めるのがベスト。
紫外線対策を行っている場合は、どんな対策を行っているのか具体的に説明しましょう。
日焼け止めを個別に塗るなど、園では対応できないことについてもあらかじめ明確にしておくとトラブルを未然に防ぐことができます。