日本人の3人に1人はアレルギーを持つ時代、あなたの保育園でもアレルギー症状を持つ園児が増えていませんか。アレルギーを持つ園児を預かる保育園としては十分に配慮することが必要です。
しかしいくら保育園が注意をしていても、防ぐことができなかった事故というのも多々起きています。
そのようなことがないよう、アレルギーを持つ園児を預かるときは保護者と密接な連絡を取り、こちらからお願いをすることも大切です。
【出典】マーミー
園児がある程度の年齢ならば、自分が食べて良い食材は何か、何を食べるとアレルギー症状が出てしまうのかについて把握してもらうことが大切。
園としては細心の注意を払っていても、配膳の取違いや、友達が「これあげる」といって本当は食べてはいけないおかずを渡してしまうことも考えられなくはありません。
そのようなとき、園児自身で食べてはいけない食材の判断ができればアレルギー症状のリスクを減らすことができます。
卵アレルギーがあるお子さんに対しては、次のようなことを家庭で話しておいてもらいましょう!
見た目が卵焼きや目玉焼きといった分かりやすいものだけでなく、茶碗蒸しやホットケーキなどにも卵が含まれているから気をつけようね
保育園で出される給食の献立表を見て、何を食べてはいけないのか家庭で確認をしてもらうことは必ず必要です。
これは食べてはいけないものだと園児が認識していることで、万が一の事故を防ぐことができます。
【出典】食物アレルギー 症状.com
一概にアレルギーと言っても、その症状は子どもによって違いがあります。
例えばピーナッツアレルギーを持つ子どもでも、直接食べてしまったときに皮膚にかゆみが出る程度の症状もあれば、ピーナッツの殻が近くにあり、その空気を吸い込んだだけでも呼吸が苦しくなるような重度の症状を持つ子どももいます。
アレルギーは給食の時間だけに起こるとは限らないのです。現場に立つ保育士としてもその園児の症状を十分に把握しておく必要があります。
園児自身にもどうすればアレルギーの症状が出てしまうのか意識させて、自ら危険な箇所や状況には参加しないように行動させることが望ましいでしょう。
万が一アレルギー症状が出てしまった場合はどうすれば良いのか、家庭で話し合ってもらうことも必要です。
強いアレルギー症状が出た場合の対処法として「エピペン」というアドレナリンの自己注射薬を準備している場合もあります。
怖い注射ではなく命を守ってくれるものだと教えておくことにより、万が一のときにも素早い対応ができるようになります。
また、アレルギーが原因で食材を残すことにより、他の園児たちから「ずるい」、「好き嫌いだ」と誤解されることもあります。
先生からの説明はもちろん大切ですが、ある程度の年齢の園児ならば自らの症状を友達にも説明できるようにしておいてもらうと、周囲の理解も深めることができます。
【出典】独立行政法人環境再生保全機構
食物アレルギーは命にかかわることでもあるので、定期的に病院へ通院することも必要です。一般的に乳幼児のアレルギー保有率は1歳が最も多く、2歳以降ゆるやかに減っていくといわれています。
つまり園に入所した当初はたくさんの除去食が必要だったのに対し、年齢を重ねるにつれ食べられる食材が増えるケースが多いのです。
そのため、医師の診断のもと食物負荷試験で確認した結果をこまめに園に伝えてもらうようお願いしましょう。
保護者の中には自己流で食べられるものを増やし、特に症状が出なかったので給食も大丈夫と簡単に伝えてくるケースもあります。しかし自己判断はとても危険です。
多くの場合アレルギーのある子どもの親は入園時に「保育所(幼稚園)におけるアレルギー疾患生活管理指導表」の提出が義務付けられています。園に在籍している間は、年齢に応じたアレルギーの診断結果を医師の診断のもと園に提出してもらうことが大切です。
アレルギーは怖い症状でもありますが、園側と保護者の間でしっかりと情報を共有することにより防ぐことができます。園児にも自らの症状を周りに伝えられるようにし、周囲の理解を深めていきましょう。