本日は、こんな疑問に答えていきたいと思います。
私は、保育園運営会社で、保育士150名の採用担当だけでなく、面談を通しモチベーション向上のため対策作成をおこなっていました。
対策前は、退職が多い状況でしたが、対策実施後は園の雰囲気も良くなり、人間関係を理由に退職する保育士 の軽減に役立つことができました。
私の経験を参考に取り入れてもらえるところは取り入れてもらい、働きがいのある保育園が日本中にできることを望んで、記事を書いております。
まずは、保育士と(定期的に)個別面談が必要です。
個別面談を通して、保育園のどこに満足していて、どこに満足していないのかを確認することが必要です。
世の中には定着やモチベーション維持や向上のための様々な研究がされています。
マズローの欲求5段階説、マクレランドの欲求理論、心理学者ローゼンタールのピグマリオン効果、ハーズバーグの2要因理論などがあります。
私はこれまでハーズバーグの2要因理論を基本とし、対策を考え実行してきました。
少しハーズバーグの2要因理論について説明します。
【参考:ハーバードビジネスレビュー2003年4月】
ハーズバーグの2要因理論とは、
アメリカの臨床心理学者であったフレデリック・ハーズバーグは、複数の職場に訪問し、経営者や看護師、軍人、技術者など1,800を超える人材を対象にアンケートを実施。(アンケート結果が上図)
アンケート結果、
「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものであるということが分かりました。このことをハーズバーグの2要因理論と言います。
アンケートからわかることは
満足を感じるときは
- 仕事を通して何かを達成したとき(達成)
- 仕事をやり遂げて仲間、上司やお客様から、認めてもらったとき(承認)
- 今の仕事に満足している、楽しいとき(仕事内容)
反対に不満を感じるときは
- 会社の価値観に共感できなかったり、管理が気に入らないとき(会社の制度)
- 上司が嫌いだったり、尊敬できなかったり、関係が嫌なとき(上司との関係)
- 職場の条件や給料が悪いとき(労働条件)
という点です。
その他の項目説明しますと「昇進」とは、会社での地位が上がること、「成長」とは、仕事をしていて成長実感を味わえていること。「給与」とは、月給や時給などのお給料、「同僚との関係」とは、職場の人たちとの関係のことです。
ハーズバーグの2要因理論を用いると、例えば、従業員の満足度を上げるために「給料を上げる」という行為は満足に繋がらないことになります。もちろん低すぎることは良くないが、保育士を定着させる、満足度を上げるために給料を上げる行為は、本質的な満足度向上には繋がらないということになります。
こんな疑問が発生する気持ちも分かります。
保育士を採用することは非常に困難なので、退職を留めるために給与を上げてしまいたくなりますし、実際に私も給与を上げて退職を留めたことはあります。
しかし、給与を上げても長続きはせず、結局退職してしまった例もありました。一時的に退職を留めることができても継続させることはできないのです。
保育業界は、園児定員や園児一人に対する保育者の配置基準が決まっており、保育園の収入に上限が発生してしまいます。
そのような仕組みの中で、より一層の従業員満足を上げて退職を防ぐためには、給料よりも達成感や承認するということが重要だと考えています。
達成感や承認だけでなく、労働条件や上司の人間性も重要な要素です。1つの項目だけ突出的に良いのではなく、満遍なく満足している、不満足に感じていない保育園の環境が必要です。
その指標として、ハーズバーグの2要因理論の考え方が重要だと考えております。
保育士が貴園のどこに満足していて、どこに不満なのかを確認しなければなりません。確認せずに対策することはできません。
なので、まずは保育士を知るために個別面談を実施してもらいたいのです。面談を通して保育士が何を感じているのか分かります。
1回の面談でわかることは難しいので、信頼関係を作り時間をかけて理解していきます。
「現状、保育士Aさんはどのように感じているのか、Bさんはどうか、Cさんはどうか」を知るために個別面談を実施することが必要です。
個別面談を通して、保育園全体が現状どのような状況なのかを把握し、ハーズバーグの2要因理論を参考にどこに課題があるのかを見える化し、優先順位を付けて取り組んでいってください。
保育士の早期退職に最も効果的な方法は
- 面談を通して個人を知る
- 個人を通して保育園の課題を知る
- 優先順位を付けて対策・実行する
本日も最後までご覧いただきありがとうございます。あなたの保育園が働きやすい環境になるようにこれからも記事を書いていきますね。